Topics

トピックス

「教えられる」から「自ら学ぶ」へ。大学と刑務所がつくる新しい学び  |福井刑務所×富山大学×福井県立大学

大学と刑務所の協議の様子

取組の概要

大学教員、学生、刑務所職員が、教育心理学、安全管理論、矯正実務の知見を持ち寄ります。社会で生きる行動技術を学ぶ、新しい教育の形を構想する取組です。

異なる分野から、学びを見つめ直す

学ぶとは、何でしょうか。あらかじめ用意された答えを出せるようになることでしょうか。福井刑務所では、教育心理学と安全管理論という異なる分野を結び、受刑者を「人生を学ぶ主体」と捉える新たな教育の形を構想しています。

専門性を持ち寄る官学協働

刑務所の中で受刑者はルールに従って生活します。一方、社会に戻れば、自分で状況を捉え、周囲の人たちと意思疎通を図りながら、対応を選ぶ場面が増えていきます。この刑務所と社会のギャップをどう克服するか。福井刑務所が注目したのが、「認知カウンセリング」の技法の一つである自分の学び方を知り、経験から教訓を導き出す「教訓帰納」と、失敗だけでなく日常の中でうまくできている場面に着目する「Safety-II」という考え方です。

取組には、富山大学教育学部の小澤郁美講師、福井県立大学経済学部の藤野秀則教授とゼミの学生、福井刑務所の職員が参画しています。教育心理学、安全管理論、刑務所の実務。それぞれの専門性を持ち寄り、周囲や自分の状況を把握すること、建設的に意思を伝えること、困難な場面でも自らを落ち着け、対応を選ぶといった、社会生活の土台となる行動技術の学びにつなげようとしています。

教える側も、学ぶ側も、ともに変わる

この協働は、刑務所の教育に新しい視点を取り入れるだけではありません。学生にとっても、矯正、社会福祉、安全管理について現場で考える機会になります。令和8年7月には、大学生と刑務所の職員が対話する機会が設けられ、その後、福井県立大学、富山大学、福井刑務所の三者が協定を結びました。

取組は、まだ道半ばです。大学の理論と現場の経験、教員と学生、施設職員が互いに学び合いながら、学びを自分の行動へ変える教育をつくる。地域、組織、世代を越えた協働から、社会へ戻った後の生活につながる新しい学びを育てていきます。


—

ミッションチャレンジ2026とは

法務省矯正局のミッションは、「更生を信じる力で、もっと安全で豊かな社会を」。このミッションを、全国の刑務所・少年院などの現場でどう形にしていくか。その実践を持ち寄り、共有する場が「ミッション・チャレンジ」です。2026年は、全国から37件の取組が寄せられました。

寄せられた37件のうち、10件は10月17日の最終発表会で発表されます。これとは別に、書類審査を経て、27の施設・機関の取組にチャレンジ賞が贈られました。

各施設の取り組みは下記よりご覧ください。

SHARE