Topics

トピックス

「あなたならどうする?」学生と刑務官が本音で向き合う広報|福岡刑務所

学生と対話する刑務官

取組の概要

学生と刑務官の間で、次々と質問が飛び交う福岡刑務所の採用説明会。イメージしにくいと言われる刑務官の仕事を知るため、ルール違反を見つけたときの対応についても一緒に考えます。率直なやり取りを通じて、刑務官として働く姿をより身近に伝えます。

働く姿を、採用前に想像できるように

「受刑者に殴られたりしない?」「目の前でルールに反する行動を見たら、あなたならどうする?」「給料はいいの?」。福岡刑務所の採用説明会では、学生と刑務官の間で様々な質問が飛び交います。互いに問い掛け、考え、自分の言葉で答える。仕事を一方的に説明するのではなく、やり取りを通じて互いの考え方や価値観を確かめる時間です。

取組の背景にあったのは、若い職員の早期離職でした。麻生公務員専門学校福岡校のキャリア支援担当者と話す中で見えてきたのは、説明会に参加しても、刑務官が実際に働く姿を想像しにくいという課題です。採用前のイメージと、採用後に初めて知る現実。その隔たりを小さくするため、「価値観マッチング型ワークショップ」を始めました。

正解のない場面を、一緒に考える

最初は、名前と希望する職業を20秒で伝える自己紹介です。刑務官も学生時代を思い出し、自分の言葉で話します。業務説明を聞いた学生が抱いた疑問を刑務官に尋ね、刑務官は「刑務所のここを知ってほしい」と思うことを学生に伝えます。勤務形態、給与、訓練など、通常の説明会では聞きにくい日常も率直に話題にします。

最後は、学生が刑務官の立場になって考える場面です。刑務官による刑務所の日常に関する実演を見た後、「指導するか」「見過ごすか」「上司に報告するか」をグループで話し合います。刑務官はすぐに答えを教えません。学生全員が一度は発言し、正解が一つではない状況で、自分ならどう判断するかを考えます。

採用説明会に参加した刑務官

双方が納得できる出会いへ

参加した学生からは、刑務官へのイメージが変わった、グループワークが新鮮だった、また話を聞きたい、ぜひ受験したいといった声が寄せられました。刑務所にとっても、学生が何を知りたいのか、仕事のどこに関心や戸惑いを感じるのかを直接知る機会になっています。

仕事の良い面だけを見せるのではなく、判断の難しさや日々の働き方も伝える。福岡刑務所は、採用前の対話を重ねることで、学生と職場の双方が納得できる出会いをつくり、この方法を他の施設にも広げていきたいと考えています。


—

ミッションチャレンジ2026とは

法務省矯正局のミッションは、「更生を信じる力で、もっと安全で豊かな社会を」。このミッションを、全国の刑務所・少年院などの現場でどう形にしていくか。その実践を持ち寄り、共有する場が「ミッション・チャレンジ」です。2026年は、全国から37件の取組が寄せられました。

寄せられた37件のうち、10件は10月17日の最終発表会で発表されます。これとは別に、書類審査を経て、27の施設・機関の取組にチャレンジ賞が贈られました。

各施設の取り組みは下記よりご覧ください。

SHARE